猫背じゃないのに猫背に見える?肩前方錯覚タイプの原因と改善ストレッチ
「姿勢が悪いですね」「猫背ですよね」と言われたことがあるけれど、鏡で見ると背骨は意外とまっすぐ…。
それでも猫背に見えてしまう原因のひとつが、この肩前方錯覚タイプです。
これは背骨そのものが丸まっているのではなく、腕や肩の位置が原因で猫背に見えてしまうタイプ。実は指導現場でもかなり多く、間違ったストレッチや筋トレで逆に悪化している方も少なくありません。
肩前方錯覚タイプの特徴
- 背骨のS字カーブは保たれているが、肩が前方に位置している。
- 腕が内旋(内側に回りすぎ)している。
- 肩甲骨が外側に広がり(外転)、不安定になっている。
- 背中を無理に反らすと、肩甲骨を寄せすぎて別の不調を招きやすい。
なぜ肩が前に出るのか?
日常動作の多くは「目の前」で行われます。
パソコン作業、スマホ操作、家事…すべて腕を身体の前で使う動きです。この繰り返しによって腕(上腕骨)が内側に回りすぎ、結果として肩の位置が前方にズレてしまいます。
さらに、腕の内旋が続くと肩甲骨の位置も不安定になり、背中が丸まって見える「錯覚姿勢」が完成します。
改善のためのポイント
① 鎖骨を開く意識
まずは鎖骨を左右に広げるように意識します。これだけでも肩の前方移動が改善され、胸が開きやすくなります。
② 肩甲骨を寄せすぎない
「姿勢改善」と聞くと肩甲骨をぐっと寄せたくなりますが、寄せすぎは逆効果。
別の肩甲骨不安定を招き、背中や首に負担がかかります。
③ 上腕骨を外旋させるトレーニング
脇をしめて肘を90度に曲げ、手のひらを上向きにします。肘を脇につけたまま、前腕を外に開きます(エクスターナルローテーション)。
このとき、手のひらを水平に保ち、肘が浮かないようにしましょう。
注意: 負荷をかけすぎると肩のアウターマッスルが働きすぎ、本来鍛えたいインナーマッスル(ローテーターカフ)が使われません。軽い負荷から始めるのがポイントです。
セルフチェック方法
- 鏡で横から姿勢を見たとき、耳の位置より肩が前に出ていないか。
- 腕を自然に下ろしたとき、手の甲が前を向いていないか。
- 鎖骨を開くと一気に姿勢がよく見えるなら、このタイプの可能性大。
まとめ
肩前方錯覚タイプは、背骨を無理に矯正するよりも、腕と肩甲骨の位置を整えることが先決です。
日常的に鎖骨を開く意識を持ち、上腕骨の外旋トレーニングを継続することで、自然と胸が開き、見た目の印象も大きく変わります。
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